第9回
日本機能性食品医用学会
平成23年12月10日・11日
大阪大学
コンベンションセンター

    開催挨拶原文
第9回日本機能性食品医用学会を開催するにあたり
 この度、第9回の日本機能性食品医用学会を大阪でお世話させていただくことになりました。
一言ご挨拶させていただきます。

もともと、食には栄養面での一時機能と嗜好・感覚面での二次機能があることは知られていましたが、それらに加えて、日本の研究班が食には生体防御・生体制御といった三次機能があるという、”食品機能論”を世界に向けて発信しました。三次機能に特化した食品、すなわち機能性食品という言葉が20年ほど前に、本邦で生まれ、”functional food”として世界に広まったという経緯があります。
 本邦では、もともと中国の薬食同源思想から着想を得て、医食同源という言葉が生まれ、健康にとって”食”の重要性が言われてきました。こうした考えが日本人の高寿命につながったと考えられます。しかしながら、本邦では高度経済成長の下、ライフスタイルの欧米化が定着すると、がんを始めとする生活習慣病の顕在化が社会問題として浮上してまいりました。我々の教室ではこれまでにこうした慢性疾患に対して、補完代替医療(CAM)の手法を現行の医療に上乗せして、患者さんのQOLの向上という観点から、臨床試験を通じてそれらのエビデンスを追求してまいりました。そして、我々はこの機能性食品が、CAMの手法の一つとして位置付けられると考えております。
 こうした背景から、我々が進めている補完医療において機能性食品がどういう役割を果しうるのか、そして今後、予防医学という観点でどのように進化していくのかという期待とその想いを込めて、本学会のメインテーマを、『補完医療における機能性食品の意義』と致しました。
 12月の初旬は何かとご多忙な時期とは存じますが、是非とも、多くの先生方や関係者の皆様に大阪大学吹田キャンパスにお越しいただきますよう、関係者一同、心よりお待ち申し上げます。

 第9回日本機能性食品医用学会総会 会長
大阪大学大学院 生体機能補完医学講座 教授
伊藤 壽記
■サルナシの卵白アルブミン誘発アレルギー
  モデルマウスに対するアレルギー抑制作用
北里大学保健衛生専門学院・管理栄養科
 荒木徹    岩本直樹
 佐藤かおり 多賀昌樹
株式会社藍匠
 柳幸雄
【目的】
サルナシは「こくわ」または「ベビーキウイ」とも呼ばれ、キウイフルーツの原種である。サルナシは大変栄養価が高く、古くから疲労回復、強壮、整腸、補血などの効果があると言われている。また近年サルナシの成分であるPG102にはIgE抗体を減少させると報告されている。今回我々はサルナシが、花粉症をはじめとするI型アレルギーの反応を抑制するするのではないかと考え、以下の検討を行なった。

【方法】
被験物質として越後妻有、十日町で育ったマタタビ科サルナシ(Actinidia arguta)を使用した。
それを粉末にした後、蒸留水に溶解し懸濁液を作製した。また実験動物としてBALB/c系雄性マウス5週齢を用いた。I型アレルギーのモデルマウスは、BALB/cマウスに卵白アルブミン(OVA)1mgと水酸化アルミニウムゲル40mgの腹腔内投与を初回1次免疫日と5日後と14日後の3回行い、21日目からはOVA40mgを7日間連日点鼻を行い作製した。その後、感作対照群とサルナシ投与群に分け、感作対照群とと無感作対照群には蒸留水を、サルナシ投与群にはサルナシ懸濁液を7日間の毎日、マウス用経口ゾンデを用いて強制経口投与した。
2次免疫日後と投与7日後の点鼻後、5分間ビデオカメラで撮影し、”くしゃみ”と”鼻掻き”の回数を観察し、比較した。また眼窩静脈叢から採血した血液を遠心して血清を分離し血清総IgE(総IgE】濃度をELISA法で測定した。

【結果】
I型アレルギーモデルマウスを用いた試験で、感作対照群と比較し、サルナシの1週間の摂取によって鼻症状であるくしゃみと鼻掻きの回数や血清IgEを有意に抑制することができた。

【考察】
以上の結果から、サルナシの摂取により花粉症をはじめとするI形アレルギーの反応を抑制する可能性が示唆される。

□早生(円錐形)
収穫時期は9月初旬から9月下旬まで。
味覚は酸味より甘味が強いのが特徴。
□早生(円形)
収穫時期は9月初旬から9月下旬まで。
味覚は酸味と甘味がほど良く調和しているのが特徴。
□晩生
収穫時期は10月初旬から11月初旬まで。
味覚は酸味が強いのが特徴。
知っておきたい!アレルギーの原因
花粉症をはじめ、アトピー・喘息・アレルギー性鼻炎などのアレルギーが発生する要因は、遺伝的なもの
環境汚染・食生活の欧米化など様々ですが、発生する根本の原因は、体内の「IgE抗体」が増えることにあります。
IgE抗体って?
体内に花粉などの異物が入ると、異物を出そうとする「IgE抗体」が作られます。 このIgE抗体が過剰反応
してしまい、異物と結びつきヒスタミンなどの化学物質を 分泌し、アレルギー症状が出てしまうのです。
IgE抗体が増える原因は、免疫のバランスが崩れていることにあります。免疫のバランスを整え、IgE抗体を増やさないようにすることが、アレルギーを抑えるポイントと言えるでしょう。
※サルナシの成分にPg102が含まれており、その作用はIgE抗体を抑える事が実証されています。
さるなしは豊富なビタミン、ミネラル源
サルナシの抗生活習慣病食品素材・成分としての開発と作用機構として
岩手大学大学院・連合農学研究科・生物資源科学専攻・(山形大学)倉兼静江農学博士の論文が載っております。

北里大学保健衛生専門学院
岩本 直樹  多賀 昌樹

サルナシはマタタビ科の落葉藤本であり、「こくわ」または「ベビーキウイ」とも呼ばれる。サルナシ果実は、栄養価が高く、ビタミンCやミネラル類を豊富に含み、古くから疲労回復、強壮、成長、抗酸化作用を有することが知られている。近年、サルナシの成分にアレルギーを軽減する作用を持つ物質(PG102)が発見され注目を浴びている。サルナシの抽出物には、アレルギー原因のIgE抗体の生産を軽減する作用も報告されている。(Eun-Jin Park et al.,2006)

 そこで、株式会社 藍匠では、サルナシを栽培できる環境を作り上げ、サルナシの使用による生体への影響について、北里大学保健衛生専門学院と共同にてモニターアンケートを取り、さらにそのメカニズムについて動物実験により実証を行っている。

モニターアンケートについて
対象者 8〜65歳(平均41.6) 男性39名  女性25名   合計64名
【アンケート内容】
1)
体が疲れにくくなった
2)
目が疲れにくくなった
3)
カゼをひきにくくなった
4)
体が軽くなった
5)
便通がよくなった
6)
下痢をしにくくなった
7)
鼻水が出にくくなった
8)
目のかゆみが軽くなった
9)
花粉症が改善された
10)
慢性蕁麻疹が改善された
11)
アトピー性皮膚炎の改善
12)
アレルギー生鼻炎の改善
13)
アレルギーが軽くなった
14)
喘息が軽くなった
15)
血糖値が下がった
16)
美肌効果が見られた
17)
肌のカサカサが良くなった
18)
肌にハリがでた
19)
痩身作用が見られた
20)
以前より美しくなった
以上20項目について、飲用後からの効果の実感した日数について調査を行った。

(結果)
初回時の悩み(自己申請)で
64名中64名が花粉症の悩みをかかえていた。

使用中の経過
64名中5名が20日後から改善を認め、改善を認めた
人数は、日数毎に増加し最終的に
62名(97%)に改善が見られた。



(考察)
「サルナシ」の摂取により効果が実感できる項目が多く見られた。また初回時の悩み項目として挙げられた、花粉症・鼻水・目のかゆみ・アトピー性皮膚炎・便秘・喘息については、症状の改善が見られた。特に花粉症・鼻水・目のかゆみなど花粉症症状の軽減を感じるモニターが多く見られ、「サルナシ」の花粉症軽減効果は注目すべきである。
Eun-Jinらの報告においても、サルナシより抽出したPG102において花粉症の軽減について報告しており、我々は、このデータを元に、マウスを利用した「サルナシ卵白アルブミン誘発アレルギーモデルマウスに対するアレルギー改善作用」の実験を行い「サルナシ」の効果について検証を行っている。
※北里大学保健衛生専門学院より頂いた検証途中の文より抜粋

PDF資料付き

特開平7-313071 飼料
特許2005-348704 栄養補助食品
特許2006-69954 チロシナーゼ活性阻害剤、美白剤及び皮膚化粧料
特許2006-249101 皮表角層の保湿能改善剤
皮表角層の保湿能改善剤の補正
特許2007-295928 微生物の保存方法
特許2008-174532 血糖値上昇抑制剤
特許2008-222625 皮膚外用剤
特許2008-509905 キウイフルーツの抽出物を含む脱毛および脂漏性皮膚疾患の
予防および治療用組成物
特許2008-531584 マタタビ属を含む組成物およびそれを用いる方法
マタタビ属を含む組成物およびそれを用いる方法の補正

PDF資料なし

特許2004-137212 水性スティック状化粧料
特許2004-002458 皮膚化粧料
特許2003-342124 皮膚外用剤
特許2003-342120 皮膚外用剤
特許2003-335622 皮膚外用剤
特許2003-335619 皮膚外用剤
特許2003-306422 皮膚外用剤
特許2003-292430 皮膚外用剤
特許2008-531584 皮膚外用剤
特許2003-137763 皮膚外用剤
特許2003-095912 皮膚外用剤
特許2002-356435 皮膚外用剤
特許2002-145754 皮膚化粧料
特許2001-220344 植物水蒸気蒸留水含有化粧組織成物
特許2000-004673 植物の栽培方法